二十四節気は芒種、梅雨入り前の時候のはずが、今年はフライングしてきた梅雨のせいで前後してしまいましたが、そんなことより私の30歳最後の日です、みなさまいかがお過ごしでしょうか。
上の写真は、玉置神社の近くからの一望です。国道425号をそろりそろりと進んで辿り着いた先に見える絶景。標高1000mほどです。
たまたま近くに寄ったし折角だからお参りしとこう、と何も知らずに行ったのですが、玉置神社はパワースポットとして有名だそう。
しかも、建立が紀元前37年というから驚き。どおりで、樹齢3000年の杉の木なんかがあるわけです。
ちなみに、駐車場から思いの外、歩きます。でも、リフレッシュ効果抜群の森林浴を享受できると思えば、短いもの。
さて、前回の続きといきましょう。
1週間も滞在した行者民宿 太陽の湯。十津川温泉にある民宿です。
この民宿の特筆すべき点は、女将さんたちだと思う。
露天風呂もお料理も、前回お伝えしたとおり素晴らしい。
でも、彼女たちの自然体なホスピタリティーが、この宿の居心地の良さを決定付けていると思う。
一流のホテルのスマートなサービスや、老舗旅館の丁寧なおもてなしとは違う、自然な優しさ。
リピーターさんが多いと言うのも頷ける。
人との出会いと、新たな学びは、往々にしてセットだと思うのだけど、ある時、女将さんの1人と話している時、彼女がこう疑問を投げかけたの。
「ここはこんなに平和なのに、どうして世界では戦争なんて起きるんだろう」
ちょうど、スペイン人のうち1人も横にいたので訳したら、彼がなんとも学びある回答を。
「戦争や争いは、自分の問題を隠したいから起きるんだと思う」
(突然スペイン人の登場に驚いた方のために補足しておくと、十津川村には、スペイン人3人の通訳として滞在していました。詳しくはこんにゃくの記事参照。)
なるほど。木は森に隠せの悪用か。って私がまとめるとアレだけど、取材のために世界中に出かけている彼が言うと、説得力がある。
確かに、自国の問題から焦点を外すために、隣国を敵視するのは、今も昔も繰り返し使われる政治手法。
でも、国単位じゃなくて、個人レベルでも同じなのでしょう。自分の生活・健康・仕事、何であれ、問題があれば余裕がなくなり、他人に厳しくなりがち。
逆に、心に余裕があれば、他人にも優しくなれる。
そして、類は友を呼ぶ。だから、あの民宿には良い人しか集まってこないんだろうなあ。
そう考えると、ストレスを無くすのは社会にとってプラスになるということか。みんなの心の健康は、社会の健全さに繋がる。
それに一役買いそうなのが、鍼灸。
話題の飛躍ぶりには、最早みなさんもう驚かないでしょうが、なんと初めての鍼灸を奈良の山奥で受けたのです。
と言うのも、スペイン人が整体に行きたいと言っていて。宿の方に相談したら、鍼灸師さんならいるけど・・・とのこと。
幸い夜なら大丈夫とのことで、スペイン人たちが受けたのですが、横で通訳しながら見ていたら、私もしたくなり。
実は、前述の玉置山に行ってから、体の浮腫みが尋常ではなく。全身パンパンで、とても気持ち悪かったのです。パワースポットゆえ、みなぎるパワーが体内でスパークルしていたのか、あるいは高地の影響を引きずっていたのか。
夜だったこともあり、超リラックス。その夜は快眠、翌朝は浮腫みも少しマシになっていました。
すっかり鍼灸に味をしめた私は、帰って来てすぐに大阪の違う所で施術してもらったのですが、効果抜群。鍼灸、本当におすすめ。
ちなみに、民宿でしてくれたのは、奈良の樫原の鍼灸師さん。十津川には、月〜水曜に巡回診療しているそう。ちょっと遠いけどわざわざ樫原まで行こうかな、と思うくらい良かったので、お近くの方は是非、と勝手にPR。
出会いといえば、山岳レスキューの方にも会った。
その方が仕事でそこに泊まっているという事実から、察していただけると思うのだけど、実は行方不明者がいて。
4月中旬に、山の向こう側からその宿に向かって来ていたアメリカ人の女性。たどり着かなかったらしい。スペインの巡礼道や、四国のお遍路さんもコンプリートしてきた彼女が、熊野古道の中でも比較的歩きやすい道で、まさかの行方不明に。
捜索した道が赤く塗りつぶされた地図を見せてもらったけど、見事に真っ赤。今は、道ではない所を探しているらしい。
そのレスキューの方が、この事件は不幸だけど、と前置きした上で発した一言が、とても印象に残っている。
「こう言う事件があっても、怖がらないで、登山に挑戦してほしい。何かあっても、僕たちがいるから。助けにいくから。」
なんて心強いんだろう。
自分たちが表に出てしまうのは良くない、なぜならイコール何かあったと言うことだから。でも、このメッセージは伝えたい、そう仰っていた。
アドベンチャーに挑戦する、全ての人に届きますように。
ではまた、ごきげんよう。
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