李禹煥、空間に語らせる

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七十二候は地始凍(ちはじめてこおる)、みなさまいかがお過ごしでしょうか。

さて、今日はアート鑑賞記録です。
東京に行ったら芸術に触れなければ、という一種の強迫観念があるので、というのは誇張ですが、私のルーティン化しているので、あまり時間がない出張スケジュールの中、時間を作っていってきました、国力新美術館。

李禹煥展(リ・ウファン)
会期最終日に滑り込みセーフ。
尤も、9月にこの美術館に行った時、絶賛開催中だったのですが、他の展覧会で満たされ、体力が尽きたので諦めたのでした。

例に漏れず、予備知識ゼロでしたが、とても面白かった。
むしろ唯一の予備知識である韓国人という情報ゆえ、音声ガイドから聞こえてきた李さんの流暢な日本語に、驚かされる。
ちなみにこのガイド、無料という嬉しさ。

素敵な作品と共に、素敵な思考や言葉に出会えた。

「自己は有限でも、外部との関係で無限があらわれる。表現は無限の次元の開示である。」

素晴らしい。
他者とのインタラクションで自己が生まれるという概念を、社会学を勉強する上で学んだけれど、それを自己の無限化、と表現するのは中々ステキ。

作品は、すごくシンプル。
なのだけど、奥行が計り知れない。
一見、石と鉄板が置いてあるだけなのだけど、その「ただ置いてある」以上のものを見る人に感じさせる。
尤も、それこそが李さんのインテンション。

それ、というのは空間や余白が生み出す感じのこと。
そして、その解釈は、鑑賞者にゆだねられている。

「一瞬の出会い 余白の響き 無限の広がり」

そんな空間や余白を生み出す作品、
作品自体を構成する組み合わせも面白い。

例えば、鉄板のキューブ、その隙間から溢れ出ているかのように周りに綿。
(構造A 改題 関係項)
鉄板の堅さとふわふわの綿のソフトさ、対照的なものを組み合わせることで生まれる何か。

あるいは、石と割れたガラスの作品。
(現象と知覚B 改題 関係項)
まるで、石を落としてガラスが割れたかのよう。
自然の形をそのままにした作品だけど、割れたガラスの中に暴力的な要素もある、とはガイドの説明。
なるほど。

絵もあった。
筆を自由にキャンパスに走らせたような作品、
グラデーションで点が構成されているもの、
あるいは、大きなキャンパスに3つの短い線だけ
余白をこれでもか、ともたせて描かれた絵など。

他にも面白い作品ばかりだったのだけど、なんというか、どれも見ていてホッとするような作品ばかりだった。

直島には、李禹煥美術館があるらしい。
また一つ、直島に行きたい理由が増えた。

ところで、この展覧会を鑑賞中、BTSのSUGAさんにすごく似た人がいて。
ほとんど確実に違う人だと思うけど、そのくらい素敵な方だっというわけで、ダブルで目の保養になったという話は余談です。

そんなわけで、今日はこの辺で。
ごきげんよう。

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この記事を書いた人

アラサー女子\(^^)/ マイペース&自由に生きてます。物欲ゼロ、代わりに旅欲高め。渡航32ヶ国、まだまだこれから!英語&スペイン語を話せます。Instagramで韓国グルメ発信中☞ @arisa_travelife

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