古今を感じるコレクション展 in 兵庫県立美術館

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七十二候は、鶏始乳 (にわとりはじめてとやにつく)、みなさまいかがお過ごしでしょうか。

鶏が、春の気配を感じて卵を産み始める頃、という説明文を読み、つまり卵にも旬があるのか!という気付き。
調べると、2~4月が旬とのこと。でも、これは有精卵の話。旬があることに気付かないほどに、年中食べることができるのは、卵を産むために品種改良された採卵鶏が、無精卵を生み続けることができるようになったからだそう。栄養価が高い上に美味しいので、毎朝ゆで卵を食べているけれど、複雑な気持ちになる。

前置きはさておき、今日も芸術鑑賞記録。
前回綴った、李禹煥さんの展覧会の後に見た、コレクション展。

「虚実のあわい」
  と
「中国明清の書画篆刻」

ちなみに、篆刻(てんこく)とは、印章を作成する行為だそうです。
つまり、ハンコを掘るということですね。

ハンコの展示は、下に置いた鏡に移されたのを見る、という粋なスタイルなのだけど、昔バチカンのシスティーナ礼拝堂で天井いっぱいに描かれた絵画を、みなさん鏡に移して鑑賞していたのを思い出した。

ところで、実は最近書画が気になっていて。というのも、新年の抱負に掲げた、建築を学ぶ!を実行するために、京都芸大のコースの説明会を聞いていたら、他のコースも気になりはじめ。その中の1つが書画コース。水墨画を学ぶというロマンに魅せられている私です。

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そんなわけで、今までならスルーしていたかもしれない書画展を、意気揚々と鑑賞。
色々な字体があって、美しいこと。
メインは文字だったけど、水墨画もいくつか。
こんな絵を描けるようになれたら、素敵。

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お習字をする上で、一番ネックなのは利き手。
右手で美しく書けるように設計されているから、お習字は右手で書くほかない。
でも、展示作品の一つに、右手が使えなくなった人が、左手で書いたものがあった。なるほど、先入観は良くない、と改めて。勇気をもらう出会いでした。

ちなみに、今東京のギャラリーで比田井南谷さん生誕110年の展示会を開催中らしく、1/28にその講演がオンラインでありまして。

その中で、比田井南国さんのお父さまにあたる、比田井天来さんの説明もあったのだけど、
自分の個性を壊すために臨書する
自分の嫌いな書も臨床する
というスタンスを持っておられたそう。
それを聞いて、思い浮かんだのが、

・初心にかえる
・温故知新
・敵を知り己を知れば百戦危うからず

それぞれ違う意味を持つけれど、同時に浮かんだのが面白い。でも、もっと面白いのは、お手本に倣うという行為が、自分の快適なゾーンから出るという冒険心に繋がっていること。
言語化するのは難しいけど、私的にとても新鮮な視点を得ることができた。

華麗なる脱線から、兵庫県立美術館に戻りましょう。
もう一方の展覧会は、書の古の雰囲気から、一気に今に。
ポスターにはアニメの女の子がでかでかと乗っていたので、全く興味が湧いていなかった。
でもよく見ると、英題に「Between fiction and reality」となっている。テーマは面白そう、と思い、覗いてみて正解。

主に、日本の現代アート作家さんの作品。
李さんの作品もあった。

高松次郎さんの、影の絵が面白い。
壁に取り付けるフック(帽子や、鞄などをひっかけられるやつ)の影を絵にしている。それも、大小色々に伸びる影。それが作品にもたらす儚さ。

山口勝弘さんの作品は、モンドリアンのコンポジションを彷彿させる。けれど、どこか悲しげ。

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是非、李さんの展示会と合わせて観ていただきたい。
ちなみに、このコレクション展だけなら500円という破格。

ではまた、ごきげんよう。

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アラサー女子\(^^)/ マイペース&自由に生きてます。物欲ゼロ、代わりに旅欲高め。渡航32ヶ国、まだまだこれから!英語&スペイン語を話せます。Instagramで韓国グルメ発信中☞ @arisa_travelife

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