角長、本物のお醬油作り

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新月の今日は、七十二候の土脉潤起(つちのしょううるおいおこる)、春の訪れを感じさせる候にピッタリの陽気ですが、みなさまいかがお過ごしでしょうか。

ところで、お醬油好きですか?

お醤油は我らが日本食には欠かせない、縁の下の力持ちとはまさにこのこと!と言わんばかりの実力者であり、その恩恵を受けた料理の数は計り知れない。

にもかかわらず、あるいは、だからこそと言うべきか、

お醬油好きですか?
という問いかけには、違和感を感じる。

例えば、ラー油、七味、わさび、からし、好きですか?と聞くと、一定数、YESが返ってくると思う。尤も、これらは私が好きな辛い系調味料なのだけど。

あと、マヨネーズ好きな人も多い。
どちらかと言うと苦手な私は、中華屋さんのランチでエビチリよりエビマヨに遭遇する率が高いことに悲しみだけど、兎に角、これらの冷蔵庫の扉に収まる調味料を好きか、と問うのは何ら違和感がない。
でも、お醬油好きですか?は聞き慣れない。

実を言うと、私はダイレクトなお醬油の味があまり好きではない。お寿司やお刺身は、わさびオンリーで頂くほど。もちろん、板前さんが付けて出してくれるやつは別。

そんな私が、なぜ突然お醬油を持ち上げたかと言うと、超老舗のお醬油屋さんに行ったから。知人の取材の同行で行ったのだけど、感動した。

お醬油が生まれた地、和歌山県の湯浅町。
そこにある「角長」さんは、日本で唯一、昔ながらの製法でお醬油を作り続けている。
ちょうど取材に伺った前日に、蔵が国の重要文化財に認定されたそう。それくらい歴史があるってこと。

詳しくは、↑のホームページを参照いただきたいのだけど、昔ながらの製法は、つまり、とても手間暇がかかる。
特に、麹の発酵過程で行う攪拌作業は、重労働。簡単に言うと、大豆と米麴からなる醬油の種が大きな樽に入っていて、それを棒のようなものでかき混ぜるのだけど、その種が超粘度があるのです。

あくまでも例えだけど、泥とか沼とか、ああいう系のもったり感。

職人の方が混ぜる様子は、リズミカルで軽快な動きなので、大変そうさがなかったのだけど、動きを止めた後の息の荒さから、その重労働感が伝わってきた。

加えて、実際に少し体験させてもらって、ますます実感。

むしろ、なんであんなに軽々しく棒を動かせるのか不思議なくらい、私には情けない混ぜ方しかできなかった。

そうして、混ぜて熟成させて、最後に搾るのだけど、その搾り方もアンティーク。

最期に、「濁り醬」をプレゼントしてくれた。
通常は1年半熟成させるところ、2年熟成させ、かつ圧搾も加熱もしていない、ピュアなお醬油だそうで。

そのお味は、と言うと、お刺身にすらお醬油を付けない私が、むしろ付けたくなるくらい、すっきりとした深みのある味わい。

羅臼の鰤の記事で、1パック目が生臭くて残念だった、という話をしたけれど、その時もこのお醬油に助けられた。
尤も、お刺身自体が美味しいと、相乗効果は計り知れない。

ぜひみなさまも、日々のお刺身の格上げに、角長のお醬油、いかがですか。と勝手にPRしているのは、やはり日常使いに良いものを使うと、日々の満足度がアップすると思うから。

【追記】

こちら↓ノーマルタイプの、熟成が1年半も購入しました。

春に、いかなごを炊くのに、母がこのお醤油を使いまして。

中々お醤油って消費されるものでもなく、若干放置され気味だったのですが、ようやく出番到来。

炊いてびっくり、濃口なので色がやはり黒い。

でも、塩分濃度は濃口の方が低いそうなので、見た目が与える味濃そうな印象は、食べて払拭されるわけです。

それにしても、濃口と薄口と、色は字の通りだけど、塩分濃度は逆ってややこしいことこの上ないと思いませんか。

兎に角、いつも美味しい母のイカナゴのくぎ煮が、尚更美味しく感じたという報告です。プラセボ効果、いや、実際お醤油が美味しいのですね。

そんなわけで、今日はこの辺で。
ごきげんよう。

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この記事を書いた人

アラサー女子\(^^)/ マイペース&自由に生きてます。物欲ゼロ、代わりに旅欲高め。渡航32ヶ国、まだまだこれから!英語&スペイン語を話せます。Instagramで韓国グルメ発信中☞ @arisa_travelife

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